嬉しい瞬間は、 患者様の病状が 良くなったと感じる時

中途入職 14年目 A4病棟 Y.Yさん

どうしてNsになったのか

母がNsをやっていて、仕事に抵抗がなかったのが、目指したきっかけです。

バンドマンなどをやった後で看護学校に入りまして、卒業して吉祥寺病院に入職しました。ギターとベースをやっていたフリーターというか(笑)。私のようにいろんな経験をしてきたスタッフが多いのもここの職場のおもしろいところですね。
准看・正看の学校に行ったので、合わせて4年かかったのですが、卒業前からB1病棟でアルバイトしていました。正看の免許を取って1年経つ頃、A4に異動し、それからもう14年ちょっと経ちますね。

Nsをやっていてつらいことと嬉しいこと

私はしんどいことやつらいことはすぐ忘れてしまう性格で、あまり覚えていられないんですよ(笑)。

仮に覚えていられたとしても嫌なことを溜めてしまうとやっていけない部分もある仕事だと思うので、どんな方法でも自分なりの発散は大切です。
そしてNsをやっていて嬉しい瞬間は、やっぱり患者様の病状が良くなったなあと感じる時です。入院時は救急で入ってとても病状が悪かった方が、退院する時にはまるで友達同士のように気さくに、元気に話しかけてくださったりすると、「入院時の調子の悪さがすっかりなくなったな」と感じると、よかったなあと思いますし、やりがいを感じます。
どの仕事にも共通することかも知れませんが、「ありがとう」と言われるのは嬉しいことです。こちらは普通に入院患者様とお話ししていたつもりが、退院後数ヶ月経って、「実はあの時は実はすごく苦しかったんだ。話を聞いてもらえて嬉しかったんだ」と再入院に繋がったりすると、そうか、よかったなと思います。患者様が一旦入院されて、3ヶ月で退院して、そしてまたライフワークとして、調子が良くなくなった時は入院して回復するというサイクルにうまく入ってもらえると、そういった再会もありますし、繋がってもらえてよかったとも感じます。

新人Nsへのアドバイス

つらい時にそれを吹き飛ばすくらい笑ってくれる人に助けられることってありますよね。

落ち込んでいるよりも楽しく過ごしている方がいい。これは看護師だから、とか、患者様相手だから、ということではなく、人間と人間がいる空間で、誰かが落ち込んでいても、ほかの誰かが楽しく明るく接していれば、明るい方へ引っ張り上げることができるんですよね。
特に患者様は、相手の一挙手一投足で落ち込んでしまうようなこともあるわけですから、そこを意識して笑顔を作って看護に当たってもらえたらなと思います。もちろん自分の気持ちに嘘をついてまで喜びを演じろということではありませんが、できるだけ笑顔でいることで、相手が安心するのであれば、そうしたらいいだろうと思います。それって普通に生活していても、友達や家族相手にすることですよね。相手が家族であれ、患者様であれ、笑顔で接する、話に耳を傾ける。素ではそういうことしないよっていう方にも、技術としてやってみてほしいです。目の前にいる人が穏やかに笑顔でいるというのはどこでも大切なことだと思います。
それからチームワークの側面からの助言ですが、病状の良くない患者様からどうしても攻撃的な言葉を掛けられて傷つくことってありますから、嫌な思いをしたなあと感じる場面はあるのですが、そういう時はスタッフ同士でちゃんと報告しあって、こういうことがありましたと共有しておく必要があります。自分ひとりの中に溜めてはいけません。時には「つらかった」とぐちをこぼしてもいいと思います。
以前、とあるスタッフが、ある患者様からすごく頭にくることを言われて、ひどく悔しかったので、どうにかして発散したいと思ったそうです。それでどうしたかというと、「患者様たちにめちゃくちゃ優しく接しました」と(笑)。まあ、それも一種の発散として有効ですが。
頼りになる先輩もたくさんいます。みんないろんな思いを経験してきているので、ぜひ頼ってほしいです。声を出すこと、自分の状況を伝えて共有することは大事です。抱えて思い詰めて突然離職する、みたいなことになる前に、周りに相談してみましょう。
それに新人Nsにはプリセプターもつきます。発信すれば環境は変わりますから、プリセプターにでも、ほかの先輩にでも、伝えていきましょう。

働き方

管理当直が最近始まりまして、師長や主任は月2回くらい管理当直に入ります。ただし連勤5日までの就業規則がありますから、それゆえ連勤や連直が発生するということはありません。
管理当直のある週は、月・火・水が日勤、木が休み、金の夜に来て管理当直して、土の朝に退勤し、日はお休み、といった形になります。
管理当直がない週は、普通の5日勤で土日が休みです。

子育てとの両立

うちは小学生を筆頭に3人子どもがいます。

育てる側の大人は2人だけなので、仮に子どもが3人とも不穏になると、もう身動きが取れないということは3人生まれてから知りました(笑)。子どもですから熱を出すことも当然頻繁にありますので、そういう時は遠慮なく休みます。うちの病院は子育て中の方が多く、みなの理解もありますから交代しやすい環境ですよ。A4はスタッフの三分の一は子育て中ですね。そういう環境なので若いスタッフも、そういうものだと理解してくれています。また急性期病棟でスタッフも多めに配置されていますから、調整はしやすいと感じます。うちみたいに3人いると、子どもたちが順番になにかに感染して最後は親がかかって倒れるのがお決まりなので、子どもが熱を出したら無理せず素直にシフトを調整させてもらいます(笑)。

OFFの日は

いま長男9歳はNintendoのゼルダにハマっていて、公園も行き尽くしたということでひたすらSwitchをプレイしていますね。でも鉱石が好きなので博物館めぐりもしょっちゅうしていて、下の2人も付き合ってくれているので休みの日はゼルダか博物館です。あまり休んでいる感じはしないかな(笑)。
下の子がまだ幼いので、もう少し大きくなったらキャンプに連れて行ってみたいです。まだ家族でキャンプをしたことがないので、みんなで山や川で遊べるのを楽しみにしています。

理想のA4

具体的な目標ではないのですが、いずれ、患者様もスタッフも、お互い一人の人間として尊重し合える環境にしていきたいですね。

具体的な目標ではないのですが、いずれ、患者様もスタッフも、お互い一人の人間として尊重し合える環境にしていきたいですね。どうしても病状の悪い時は「入院させられた」という認識で、職員に暴言を浴びせる患者様もいらっしゃいますが、看護師もそれを浴びていいというわけではないですから、難しいことかも知れませんが、すべての患者様が納得して、スタッフとお互いに人間として尊重しあっていってほしいなと思います。 嫌な思いをしてしまった看護師も、ショックを受けたら愚痴を言っても良いとは思いますが、それもエスカレートするとただ攻撃的な悪口になってしまうので、よくありません。アンガーコントロールできている状況が望ましく、それには節度を保つことが重要です。 看護師としては患者様がその病状ゆえ罵詈雑言を口にしてしまう様子ではなく、本来のを見て治療していけたらなと思います。